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去る11月2日日曜日、バルセロナで開催された第20回サロン・デル・マンガが閉幕した。
1994年に初めて開催され、今年で20周年を迎えたこのイベント。この記念すべき年に本イベントのポスターを制作したのは、ゲストとしても招待された漫画家ケン・ニイムラ氏である。

本イベントは今年もさらに来場者数を伸ばし、4日間で実に130,000人が訪れた。昨年の来場者数115,000人と比較して13%の増加である。
本イベントへの期待度から考えれば、週末の入場券が両日とも開催数日前に完売してしまったのも不思議ではない。しかし会場内での来場者の行き来はスムーズで、混雑が過ぎるようなことはなかった。

 
第1イベントホールでは、新しく出版された作品の紹介やゲストとのファン・ミーティングなどが多く行われたが、任天堂のコーナー、そして和食の屋台が同じホールを共用していたため、残念なことに会場は多少騒々しかった。

今年の初企画イベントのひとつである「El Espíritu de Japón(日本の魂)」のコーナーでは、Bonsaikebana主催の展示会、日本の伝統的なお面の展示、指圧やレイキなどマッサージのショーや様々なワークショップなどが行われ、来場者を楽しませた。

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また、本イベント20周年を記念して、過去に使用されたイベントのポスターが展示され、これまでのゲストの写真と共にイベントの変遷が簡単に紹介されていた。

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第2ホールの2階に位置するスペースでは、料理のデモンストレーションやワークショップも開催され、日本の食材の試食から日本酒にマリアージュするデザートの創作も行われた。
腕を振るったのは、ジョルディ・ロカ(2014年世界ベストレストランで2位を獲得したEl Celler de Can Rocaのパティシエ)、レストランSugoiのサウロ・メイレレス、Yashimaのリョウ・サカモト、塩尻醸造所の伏木暢顕、Momijiのディエゴ・ラソといった有数のシェフ各氏。このイベントでは、スペインと日本両国の美食を堪能することができた。

 

 
本イベントの今年のテーマとなったのは、ポケモンのフランチャイズである。
任天堂のコーナーは、巨大なピカチュウがホールに展示され、様々な作品に関するコンテストもあれば、お気に入りのポケモンと写真を撮ることができるフォトコールもあり、多岐に渡るアクティビティーが行われていた。さらに、ケン・ニイムラ氏他のゲストが描いた絵の展示もあり、本イベントのテーマに因んで、パリのポケモンセンターからは、フランチャイズされた絵やスケッチも多く展示されていた。

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ケン・ニイムラ氏以外にも、漫画界の重鎮たちがサロン・デル・マンガに招待された。
「スラムダンク」や「バガボンド」の作者として有名な井上雄彦氏、ゾンビを描いた大人気の漫画「アイアムアヒーロー」の花沢健吾氏、また傑作漫画「DEATH NOTE」の作画や小説「All You Need is Kill」の漫画版を担当した小畑健氏(今年、トム・クルーズとエミリー・ブラント主演により映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル(原題:Edge of Tomorrow、別題:Live Die Repeat)」が公開された)。
また、ポケモンのゲーム制作に従事する増田順一氏と大森茂氏も参加した。

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ゲストたちによるサイン会、ファン・ミーティング、そして入場自由のマスタークラスも開催された。
花沢、小畑、ニイムラ各氏のスケッチや絵の展示も行われ、ニイムラ氏の作品と脚本家ジョー・ケリー氏とのコラボレーションによるテーマ・スペースも楽しめた。
関連リンク:ケン・ニイムラ、大注目の新進コミック作家インタビュー

日本スペイン交流400周年親善大使のひとりとして本イベントに参加した井上氏は、懇談会で漫画を通じてガウディの哲学と日本を融合することにについて語った。彼はガウディ建築をテーマにした著作「pepita(ペピータ)井上雄彦 meets ガウディ」を出版している。
関連リンク:日本で開催中の特別展『ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-』

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出版イベント


11月1日土曜日には、様々な出版社、アジアのアニメーションや映画の配給会社による新作発表会やカンファレンスが開催された。

nov2014_salondemanga_5● 16:00 Cine Asia
Cine Asiaのスタッフは、アジア映画についての発表を行った。日本の映画業界は順調であり、映画館での上映、DVD等の販売共に売上げは好調である。さらに日本では、漫画を原作とした実写版が盛んに制作されているため、映画業界にとっても良い資力となっていると言う。欧米の人々がアジア映画を知るきっかけとして、漫画とアニメが大きな役割を果たしていることは喜ばしい。
http://www.cineasia.net/
https://www.facebook.com/CineAsia.online

 
nov2014_salondemanga_15● 17:00 Norma Editorial
新作発表の後、出版社主催による漫画コンクールの優勝者を発表。今年の作品「Delete」で優勝を獲得したのはイサベル・テロルさん。おめでとうございます!
続いて、2015年に向けた同社の新規ライセンス契約を紹介。特に「進撃の巨人」のキャラクターを解説する2種類のガイドブックは注目の的である。また、「美味しんぼ」は日本の食文化や慣習をテーマとしており、スペイン人にとって驚きに満ちた作品であろう。さらには、フェラン・アドリアと日本食レストラン「壬生」の出会いをテーマにした漫画(舞台化が予定されている)と、昨シーズン大ヒットを記録したアニメの原作「東京喰種 トーキョーグール」が発表された。
http://www.normaeditorial.com
https://www.facebook.com/normaeditorial

 
nov2014_salondemanga_16● 18:00 Planeta Cómic
Planeta Cómicがまず最初に紹介したのは、来年発売される予定の新作の映像。その中でも、閉鎖された出版社EDTが過去に出版した作品「らんま1/2」、「チーズスイートホーム」などの復活版、そしてようやくスペインで出版される「無限の住人」の最新刊が特に注目された。他にも、絶大な人気を誇る「ドラゴンボール」、「漫画の王様」石ノ森章太郎による「佐武と市捕物控」など、往年の傑作漫画のファンたちにとって喜ばしい新刊であろう。
http://www.planetadelibros.com
https://www.facebook.com/PlanetadComic

 

 
nov2014_salondemanga_12● 19:00 Ivrea
今回新作の発表がかなわなかったため、Leandro Obertoは読者の疑問や質問に答えるカンファレンスを開催した。そこで明らかにしたのは、「涼宮ハルヒ」シリーズが10番目の作品(上下巻に分けられる予定)をもって来年中には終了することであった。また、「テラフォーマーズ」の予想以上に素晴らしい商業的な成功について語った。
http://www.editorialivrea.com/ESP/
https://www.facebook.com/editorialivrea

 

 
nov2014_salondemanga_17● 20:00 Selecta Visión
土曜日のイベントの締めとして、出版社による一連のカンファレンスの最後には、Selecta Visiónのアニメ配給担当者が、本イベント向けの最新情報、そして2015年の新作の発表を行った。特に注目されたのは、スペインでは「Las Vacaciones de Jesús y Buda(イエスとブッダのバカンス)」として知られる「聖☆おにいさん」。また、映画「ルパン三世 カリオストロの城」のDVDとBlu-ray版の発売日を発表した。本作品には、スティーヴン・スピルバーグが最高のカーチェイスと評した、映画史上でも傑出したカーチェイスが登場する。
それだけではなく、2015年3月6日に最新映画「聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY」が公開されることを発表。
Selecta Visiónは、「ドラゴンボール」の最新映画が公開された際のファンの大反響に対して感謝の意を伝えた。このようなプロジェクトでの観客動員数は重要であり、今回も同様に多くの人に劇場に足を運んで頂けることを期待していると述べた。
しかし、我々が一番注目したのは、何と言ってもSelecta Visiónがアニメ作品のスペイン同時放送に乗り出すことであろう。この同時放送では、日本でのアニメ放送のわずか数時間後にスペインでも放送が行われる予定である。このプロジェクトは「テラフォーマーズ」を皮切りに始められる。また、彼らの有するコンテンツの新しい配信方法を発表したが、それによれば、有料会員に登録するとYouTubeの配信プラットフォームを使った1チャンネルを1年間自由に視聴できるようになる。このプロジェクトはスペインのアニメ業界に変化をもたらすことになるだろう。
http://www.selecta-vision.com
https://www.facebook.com/SelectaVision

 

 
世界コスプレサミット (WCS)


多くの方がご存知の通り、サロン・デル・マンガでは、WCSのスペイン最終予選が行われ、日本で行われる本選に参加する代表コスプレイヤーが選ばれた。コンクールの優勝者はダニエル・タラベラ・ダサとビルヒニア・ピニーリャ。他の参加者やコンクール出場者も各々自慢のコスプレを披露し、会場は熱気に満ちていた。
ESJAPON.comのコスプレ・フォトギャラリーで、彼らのコスプレをお楽しみいただきたい。

 

 
ESJAPON.comは、本イベントに報道関係者として参加できたことを大変光栄に思うと共に、再びこの場所に戻って来られることを望んでいる。来年第21回イベントで、Ficomicが再度我々を驚かせてくれることを期待したい。

 

 

文:ルイス・アルフォンソ・アントン、マヌエル・フクダ