スペイン国立ダンスカンパニー 日本公演開催

 

こちらのイベントは終了しました。

 

今年初冬、ジョゼ・マルティネズ芸術監督率いるスペイン国立ダンスカンパニーが来日する。

 

 
上演予定作品は、『Sub』『堕ちた天使』『ヘルマン・シュメルマン』『マイナス16』そして『天井桟敷の人々』。世界中の名作から選りすぐったこれらの作品の上演は、名古屋市の愛知芸術文化センター、横浜市の神奈川芸術劇場のみ。この機会をお見逃しなく!

 

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Sub

 
初演:2009年
振付:イジック・ガリーリ
音楽:マイケル・ゴードン「ウェザー・ワン」
テルアビブ(イスラエル)出身の振付家イジック・ガリーリがこれまでに振り付けたダンス作品は80作以上、アヴァンギャルド・ダンスの進化を見せつける。作品「A Linha Curva」で批評家から絶賛を浴び、様々な賞にノミネートされた彼が次に挑んだ本作「Sub」。このエネルギッシュな作品は、休息もなく戦い続ける戦場の男たちを描いている。

 

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堕ちた天使

 
初演:1989年
振付:イリ・キリアン
音楽:スティーヴ・ライヒ「ドラミング・パート1」
振付家イリ・キリアンにとって、ライヒの楽曲の素晴らしさはそのリズム構造、特に「フェージング」と呼ばれる音楽修辞法にある。そこには、振付が独立して自由に展開する存在であるという雰囲気が漂う。「ドラミング」は、踊りに対して絶対的な優先権を与えるという挑戦であったとキリアンは語る。そして8人のダンサーによる率直で刺激的な作品が完成。キリアン曰く「堕ちた天使」は「私たちの職業を題材にしている作品」である。

 

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ヘルマン・シュメルマン

初演:1992年
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽:トム・ウィレムス
今日最も先端を行く振付家のひとりであるウィリアム・フォーサイス。彼は、クラシック作品のレパートリーによる自己の証明から21世紀の難度の高い振付作品まで、バレエの実技の再構築を行った。フォーサイスの関心に端を発して、彼のプロジェクトはインスタレーションや映画、WEBの知識を活かした作品など多岐にわたる。本作品「ヘルマン・シュメルマン」は、1992年にニューヨーク・シティ・バレエ団のためにその前半が制作され、その後同年に、フォーサイスが20年にわたって芸術監督を務めたフランクフルト・バレエ団のためにパ・ド・ドゥが付け加えられた。

 

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マイナス16

初演:1999年
振付:オハッド・ナハリン
音楽:The John Buzon Trio、ディック・デイルほか多数
ディーン・マーティンからマンボ、テクノ音楽からイスラエルの伝統音楽まで、幅広い曲を使用する本作品「マイナス16」では、即興の動き、そしてナハリンが考案した、古い癖から脱するための身体言語のメソッド「GAGA(ガガ)」を存分に使用し、ダンサーたちに従来と異なる方法で踊るよう要求する。本作品は、ダンサーと観客の間に柵を設置しすることでそれぞれを分断した特殊な作品である。予測できない動きと遊び心に溢れた本作品では、独特な奇抜さだけでなく、踊る喜びまで感じさせてくれるであろう。

 

天井桟敷の人々

初演:2008年
振付:ジョゼ・マルティネズ
音楽:マルク=オリィヴィエ・デュパン
同タイトルの映画をベースにパリ・オペラ座エトワールであったジョゼ・マルティネズが振り付けを行ったスペクタクルバレエの傑作。ここではこのバレエ作品の一部を、今回の日本公演のために再構成して上演。

 

 
スペイン国立ダンスカンパニー


スペイン国立ダンスカンパニーは、1979年にスペイン国立クラシックバレエ団として設立され、ヴィクトール・ウラーテが初代芸術監督を務めた。その後マリア・デ・アビラ、マイヤ・プリセツカヤらを引き継ぎ、1990年から2010年7月まで20年間に渡りナチョ・ドゥアトが芸術監督を務めた。ドゥアトの就任により、スペイン国立ダンスカンパニーは、作品の質の高さだけでなく、カンパニーオリジナルの振付作品を保有する舞踏団として革新的に変化した。
2010年にエルベ・パリトが1年間ドゥアトの後任を務め、その翌年9月にジョゼ・カルロス・マルティネズが芸術監督に就任。パリ・オペラ座でエトワールを務めたマルティネズがスペイン国立ダンスカンパニーとともに目指すのは、ダンスという芸術の更なる振興と普及。そしてカンパニーのレパートリーは、クラシック作品やネオクラシック作品からコンテンポラリーダンスやアヴァンギャルド・ダンスまで幅広く、今日の代表的な振付家の作品から、スペインの新しい作品にも挑戦を続けている。新しい観客をダンス界へ惹き付け、カンパニーの活躍の場をスペイン国内だけでなく海外へも押し進め、アイデンティティーを一新したカンパニーに進化しようとしている。

 

 
nov2014_cnd_5ジョゼ・カルロス・マルティネズ


カルタヘナでバレエを始め、ピラール・モリーナに師事。1984年カンヌ・ロゼラ・ハイタワー・バレエ学校に入学。ローザンヌ国際バレエ・コンクールでスカラシップ賞を受賞、パリ・オペラ座バレエ学校に編入。1988年ルドルフ・ヌレエフによる個人的な勧めで、パリ・オペラ座バレエ団へ入団。1992年のヴァルナ国際バレエ・コンクールでの金メダル受賞に続き、1997年パリ・オペラ座バレエ団のエトワールに任命される。
現在までにモーリス・ベジャールやピナ・バウシュ、マッツ・エック、ウィリアム・フォーサイスら20世紀を代表する振付家の作品に出演した。また、自身の振付作品として「ミ・ファボリータ」(2002年)、「天井桟敷の人々」(2008年)、「マルコポーロ・ラストミッション」(2010年)などを発表。2012年には、スペイン国立ダンスカンパニーのためのソナタ、2013年には「ライモンダ・ディヴェルティメント」、「ジゼル」(第二幕パ・ド・ドゥ)を制作した。

 

 

 
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スペイン国立ダンスカンパニー 2014年日本公演

<名古屋公演>
日時:2014年11月30日
会場:愛知芸術文化センター
住所:〒461-8525 名古屋市東区東桜一丁目13番2号
TEL:(052) 971 5511(代表)
http://www.aac.pref.aichi.jp/syusai/spain/index.html

 

 
<横浜公演>
日時:2014年12月5日19:00開演、6日15:00開演
会場:KAAT 神奈川芸術劇場
住所:〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町281
TEL:(045) 633 6500(代表)
http://www.kaat.jp/d/spain