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スペインの詩人・劇作家ガルシア・ロルカ (1898-1936) の作品を舞台上演する日本の劇団クセックACT (以下、クセックACT) による8度目のスペイン公演が、2月15日から18日にマドリード、2月21日にムルシアにて開催される。
 
“動く絵画” と称されるクセックACTが、今回のスペイン公演で上演するロルカ作品は『観客 (スペイン語タイトル:El Público)』。ガルシア・ロルカ究極の作品であり、上演不可能な演劇とも言われるこの作品を、演出の神宮寺氏は「この作品に時間軸はなく、ロルカの頭の中 (思想) を表したもの。ロルカの妄想を凝縮していけば核心へ繋げる。そして、簡単なプロットを明確にして舞台にあげる」。クセックACTの究極の挑戦舞台が、ガルシア・ロルカの故郷スペインにて上演される。
 
16日のマドリード公演の前には、ロルカ研究家のハビエル・ウエルタ・カルボ氏と公演の翻訳・脚本を担当する田尻陽一氏による「観客」に関する講演も予定されている。

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観客 / EL PÚBLICO
『観客』は男同士の純愛がテーマです。ゴンサロは一途にエンリケを愛する男、エンリケは二人の関係を社会から隠そうとする世間体を気にする男、と捉えました。
1930 年代のスペインでは、赤裸々に男同士の「愛の言葉」は書けませんでした。そこでガルシア・ロルカはこの作品を『ロミオとジュリエット』の世界に置き換えたのでしょう。ご存じのようにシェイクスピアの時代には女優ではなく、二人の少年俳優が甘い男女の恋物語を演じました。しかし、舞台を見ている観客は誰も男同士の恋愛とは思いませんでした。役者の肉体と戯曲のセリフとの関係。ここが演劇の面白いところです。もちろん我々の舞台ではジュリエットを男優が演じます。一方、我々は、自我を曝け出さないよう、常に社会に対して仮面をかぶっています。自我を曝け出すと悲劇が生じるからです。仮面をかぶらずひたむきな愛に生きるゴンサロは愛の殉教者です。そこでフィナーレは仮面をかぶることにしました。
ガルシア・ロルカはレアリズム恋愛劇を書くような作家ではありません。愛とは偶然なのか必然なのか…、答えはありません。(脚本家:田尻)
原作:ガルシア・ロルカ
翻訳・構成・脚色:田尻 陽一
構成・演出・舞台美術:神宮寺 啓

 
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劇団クセックACT
公式サイト | Facebook
1980年1月、国際青年演劇センター(KSEC)に参加していた神宮寺啓を中心にプロデュース集団KSEC< 名古屋>として誕生。6年間のプロデュース公演を経た後、1986年8月より強固な演劇集団を目指し、関西外国語大学教授、田尻陽一の参加を得て、劇団クセックACT’86を結成。
「ロルカなくしてクセックなし」「ロルカを追い求めて35年」と、自他共に「ロルカ命」と認めるクセックACT。
設立以来、一貫してバリエ=インクラン、ガルシア・ロルカ、フェルナンド・アラバールなどスペインの劇作家の作品を主に取り上げるとともに、サミュエル・ベケットや寺山修司の作品も独自の解釈を施し、“動く絵画”と言われる独特の舞台造形美を構成してきた。劇団クセックACTは本拠地の名古屋だけにとどまらず、大阪、福井、東京など各地で公演活動を行い、1990年にはニューヨークの第3回IATI演劇フェスティバルで「死にっぱぐれの舞踏会」を上演。エル・アプラウソ紙の「演劇部門年間最優秀賞」を受賞。

2002年はスペインより招聘を受け「アルマグロ国際古典演劇祭」に参加、スペイン全国紙「エル・パイス」紙上で高い評価を得た。また、2004年はバルセロナにて「第5回アジアフェスティバル」、2008年3月にはムルシア、アルメリーアの各演劇祭。さらに2年連続して「アルマグロ国際古典演劇祭」「オルメド古典演劇祭」での公演を挙行。


「平成9年度 愛知県芸術文化選奨」受賞
「平成20年度 名古屋市芸術奨励賞」受賞

 

劇団クセックACT『観客』スペイン公演
 
マドリード公演
公演期間:2018年2月15日(木)〜18日(日)
     15日 (木) 20:30h
     16日 (金) 20:30h
     17日 (土) 20:30h
     18日 (日) 19:30h
会場:Centro Dramático Nacional Teatro Valle-Inclán (CDN)
住所:Callede Valencia (Plaza de Lavapiés), 1, 28012 Madrid
入場料:20ユーロ / 25ユーロ
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ロルカ作「観客」に関する講演と公演メンバーとの顔合わせ
INTRODUCCIÓN TEÓRICA EN TORNO A “EL PÚBLICO” Y ENCUENTRO CON EL EQUIPO ARTÍSTICO

ロルカ研究家のハビエル・ウエルタ・カルボ氏と公演の翻訳・脚本を担当する田尻陽一氏による「観客」に関する講演及び公演メンバーとの顔合わせ
日時:2月16日(金)19:00h〜
会場:Sala El Mirlo Blanco (Teatro Valle-Inclán)
入場無料・席数に限りあり
同日公演終了後、公演メンバーとの顔合わせも予定


 

 
ムルシア公演
公演日時:2018年2月21日 (水) 21:00h
会場:Teatro Circo Murcia
住所:Calle de Enrique Villar, 11, 30008 Murcia
入場料:10ユーロ / 12ユーロ / 15ユーロ
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