YAMATO − 魂の鼓動がマドリードを揺らす

 
マドリード・グランビア通りにあるEDP劇場で、いま日本の鼓動が響いている。和太鼓グループ「YAMATO」が、新作公演『Hito no Chikara − 人の力』を引っ提げて登場。音と身体、そして観客の心を一つにする圧巻のステージが展開されている。
　
YAMATOは1993年に結成され、これまで世界54か国以上で4,000回を超える公演を行ってきた。ステージには大小40台もの太鼓が並び、重さ500キロ、樹齢400年の巨木から作られた大太鼓も登場。演者たちは激しい動きと緻密なリズムを完璧にコントロールしながら、太鼓の持つあらゆる表情を引き出していく。
　
公演は単なる音楽イベントではない。観客の心臓の鼓動と舞台上のリズムが呼応し合い、空間全体が一つの生命のようにうねり始める。太鼓の音は身体の奥底にまで響き、神聖さと日常が交差する瞬間に、観客は息を呑む。
　
笑いと涙、興奮と静寂。そのすべてが渦巻くステージには、言葉を超えた力が宿っている。「太鼓の音で心の鼓動を伝えたい」と語るYAMATOの演者たち。その思いが確かに伝わってくる。
　
『Hito no Chikara』は、2025年6月28日まで上演予定。五感すべてで感じるべき舞台。音が魂を打つ瞬間を、ぜひその目と耳で体験してほしい。