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国際関係の様々な分野で、日本と諸外国との友好親善関係の増進に多くの方々が多大な貢献をしている中で、特に顕著な功績のあった個人および団体についてその功績を称えるとともに、その活動に対する一層の理解と支持を国民各層にお願いすることを目的として、毎年外務大臣表彰が行われている。
 
今年度表彰を受けたのは個人142名、31団体(うち国内在住受賞者は個人25名,7団体。海外在住受賞者は117名,24団体。)で、スペイン関連の受賞者の表彰式が、10月中にマドリードの在スペイン日本国大使公邸にて開催された。
 
表彰式では、在スペイン日本国特命全権大使水上正史氏から各受賞者に対し表彰状と記念品が手渡され、式後はそれぞれの分野で二国間の友好親善に大きく貢献した受賞者を囲んで和やかな歓談が行われていた。
 
今回マドリードの日本大使公邸にて表彰されたのは下記の5名。(アルフォンソ・ファレロ氏の表彰式は後日開催予定とのこと。)

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石橋 昌子(いしばし まさこ)氏

共同通信社スペイン通信員
功績概要:日本とスペインとの相互理解の促進
1941年京都生まれ、マドリード市在住。
華道遠州にて生け花を、同志社大学にてジャーナリズムを学ぶ。サラマンカ大学とマドリード・コンプルテンセ大学にてスペイン語を勉強するために渡西。1973年よりマドリードにて生け花のクラスを主宰。1992年に共同通信社の仕事を初め、長年スペインの報道機関との協力を行っている。ほぼスペイン全土に渡って生け花を紹介し、日本の伝統に関する多くの講演を行った。またスペイン国営放送のラジオ番組「エル・トランビア」に定期出演した。

 

 
リカルド・サンツ・デ・カストロ氏

レストラン「カブキグループ」 オーナーシェフ
功績概要:スペインにおける日本食文化の普及
1958年マドリード市生まれ、マドリード市在住。
マドリードのホテル観光上級学校にて調理を学ぶ。ハンバーガーショップからタパスバーを経て日本料理に興味を持ち、マドリードの日本料理店「Tokio Taro」(現在は閉店) に就職、同店の菊池料理長に師事する。2000年にホセ・アントニオ・アパリシオ氏とともに日本料理店「Kabuki」を開店。2005年にはテネリフェ島のホテル・アバマに、また2007年にはマドリードのホテル・ウエリントンに新しく「Kabuki」を開店。これらの三つのレストランはそれぞれミシュランから一つ星を受けている。

 

 
オビディ・カルボネル・イ・コルテス氏

前サラマンカ大学日西文化センター所長
功績概要:日本・スペイン間の相互理解の促進
1966年アリカンテ県アルコイ市生まれ、サラマンカ市在住。
アリカンテ大学英国文献学部・アラブ文献学部卒。オックスフォードにて東洋文学マスターコース修了。サラマンカ大学にてドイツ語文献学博士課程修了。2010年から2015年にかけてサラマンカ大学日西文化センター所長を務めた。現在はカタール国ドーハのハマド・ビン・カリファ大学人文学部翻訳学の主任研究者。

 

 
貴志 栄子(きし えいこ)氏

スペイン生け花協会副会長
功績概要:スペインにおける日本文化の普及
マドリード県サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス市在住。
心理学修士。生け花未生流と茶道裏千家の師範。書道、折り紙、着付け、琴、太鼓等の日本の伝統芸術を実践。スペイン生け花協会とインターナショナル・スペイン・カステリャーナ・センターの創立者の一人で両団体の副会長とマドリード日本人会の幹事長を務める。25年前よりスペイン各地で日本の伝統芸能の講習や公演を行っている。

 

 
エミリオ・ゴンサロ・マジョ氏

Terracomic, S.L.社代表取締役兼経営者
功績概要:漫画を通じた日本とスペインとの文化交流の促進
マドリード市在住。
エキスポ・コミックとエキスポ・マンガを主催するテラ・コミック社の代表。
エキスポ・コミックはエミリオ・ゴンザロ氏の発案で2002年に生まれた。初回はマドリード市内のホテルの200平米のスペースを使ってのイベントだったが、その後カサ・デ・カンポ公園内のクリスタル・パビリオンを経て、2016年からはマドリードIFEMA展示会場のパビリオン12にて、14,400平米のスペースを使って5万人以上の訪問客を集めるフェアとなっている。 エキスポ・マンガはマンガとアニメに留まらない、J-POPなどの日本の音楽や、空手、柔道、剣道、茶道、生け花、茶道、日本語教室、カラオケ大会、コスプレ大会等を含めた日本文化の祭典として成長している。

 

 
アルフォンソ・ファレロ氏

サラマンカ大学東洋思想史教授
功績概要:日本・スペイン間の相互理解の促進
Nov2016_MAEJ_AlfonsoFalero1959年グラナダ生まれ、サラマンカ市在住。
グラナダ大学哲学部卒。國學院大學で初めて博士課程を修めた初めての西洋人。スペイン帰国後サラマンカ大学文献学部にて日本研究科を設立。その功績の中には日本の思想家である柄谷行人、中沢新一、浅田彰の研究が含まれる。