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スペイン・バスク州サン・セバスティアンで毎年開催されているスペイン最大の国際映画祭 『サン・セバスティアン国際映画祭』が、今年も9月20日〜28日の9日間にわたり開催される。
 
第67回目となる今年の映画祭に出品される日本映画作品は、是枝裕和監督初となるフランスとの合作、女優カトリーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシェの共演が話題の『真実』や、新海誠監督によるアニメーション作品『天気の子』、三池崇史監督オリジナル作品であり監督初となるラブストーリー『初恋』、650年続く能楽師狂言方をモチーフとした土井康一監督作品『よあけの焚き火』、大泉洋主演・北海道シリーズ第三弾 深川栄洋監督『そらのレストラン』、渡邉崇監督によるパティシエ世界一の辻口博啓の密着ドキュメンタリー『ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ』、島田千絵美監督による祖母を記録した短編ドキュメンタリー『ちよ』の7作品がノミネートされている。さらに2017年に新設されたクラシック部門にて、日本とアメリカ合作による三島由紀夫の生涯を4つのチャプターで描いた『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』が上映される。

 
*「サン・セバスティアン国際映画祭」
ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭とされており、国際映画製作者連盟と国際映画批評家連盟公認のコンペティション形式の映画祭である。映画祭に並行して映画マーケットが開催されており、業界関係者向けに企画開発や海外セールスなどの商談を行う機会ともなっている。
昨年は、同映画祭において優れた功績を称える生涯功労賞にあたる「ドノスティア賞」が是枝裕和監督に送られている。
 

 

 
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パールズ部門
世界の映画祭を賑わせ話題となった、その年を代表するような作品を上映する部門。スペインではまだ発表されていない、今年のすぐれた映画が上映される。*コンペティション部門ではないため観客賞のみ受賞対象となる。過去、同部門に出品された是枝監督作「そして父になる」「海街diary」はそれぞれ観客賞を受賞している。

 
『真実 (La Verdad)』是枝裕和監督
 
是枝監督にとって初となる国際共同製作で手がけた長編作品。母と娘の間に隠された真実をめぐる物語を、フランスを代表する女優カトリーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシェの共演で描く。
監督・脚本:是枝裕和 / 2019年 / 108分 / フランス・日本合作 / 原題:La Vérité
公式サイト | Twitter
 
世界中にその名を知られる、国民的大女優ファビエンヌが、自伝本「真実」を出版。海外で脚本家として活躍している娘のリュミール、テレビ俳優として人気の娘婿、そのふたりの娘シャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、彼女の公私にわたるすべてを把握する長年の秘書─。“出版祝い”を口実に、ファビエンヌを取り巻く“家族”が集まるが、全員の気がかりはただ一つ。「いったい彼女は何を綴ったのか?」そしてこの自伝に綴られた<嘘>と、綴られなかった<真実>が、次第に母と娘の間に隠された、愛憎うず巻く心の影を露わにしていき―。

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Youtube:ギャガ公式チャンネル / 【公式】『真実』10.11(金)公開/特報
  

 
『天気の子 (Weathering with you)』新海誠監督
 
前作『君の名は。』から3年。今や、世界的に注目されるアニメーション監督・新海誠の待望の最新作が、ついに始動する。
原作・脚本・監督:新海誠 / 114分 /2019年
公式サイト | Twitter
 
これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語。
「あの光の中に、行ってみたかった」高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。彼女には、不思議な能力があった。

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Youtube:東宝MOVIEチャンネル / 映画『天気の子』予報①

 

 
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サバルテギ・タバカレラ部門
スタイル、上映時間、フィクションやノンフィクションなどの規定なしの同映画祭に中で最もオープンな部門。

 
『初恋 (First Love)』三池崇史監督
 
主演・窪田正孝 × 監督・三池崇史のタッグによる、初のラブストーリー&原作のないオリジナルに挑んだ三池崇史監督最新作。日本公開は2020年2月予定。
監督:三池崇史 / 2019年 / 108分
公式サイト | Twitter
 
負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫し、人生の歯車が一気に狂いだしてしまった天才プロボクサーの葛城レオ (窪田正孝) が、不遇な家庭環境からアンダーグラウンドと関わるようになりヤクザに追われるモニカ (小西桜子) と偶然街で出会ったことから、ヤクザ同士の抗争に巻き込まれる濃密な一晩に身を投じていく。

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Youtube:東映映画チャンネル / 三池崇史監督×窪田正孝主演!映画『初恋』【超】特報映像
  

 

 
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新人監督部門
監督としての1、2作目となる長編映画作品を対象とした部門。昨年、同部門に出品された奥山大史監督作品「僕はイエス様が嫌い」が新人監督賞 (Premio Kutxabank-New Directors) を受賞している。これは1998年に高橋陽一郎監督以来20年ぶりの受賞となる。

 
『よあけの焚き火 (Bonfire at dawn)』土井康一監督
 
ドキュメンタリーとフィクションを行き来する不思議なお話。伝統芸能をモチーフに「伝えること」という普遍的なテーマを昇華させた稀有な作品が誕生した。主演は650年続く能楽師狂言方の大藏流 大藏基誠 (おおくらもとなり)・康誠 (やすなり) 親子。映画初主演にして、自身を演じるという難役を果たした。
監督:土井康一 / 2019年 / 72分
公式サイト | Twitter | Facebook
 
“家族の歴史を背負った少年”
冬、父と息子は二人きりで山の稽古場へ向かう。650年の伝統をもつ狂言方の家に生まれた大藏基誠は、少年時代に父や兄と訪れていたこの場所に、10歳になる息子・康誠を初めて連れてきた。基誠は幼い頃を思い出しながら、父が自分にしたように、康誠に稽古場の掃除から手ほどきをする。しかし康誠は、ふだんより厳しさを増して接する父に戸惑い、稽古を投げ出しそうになる。基誠も自分のやりかたに、どこかもどかしさを感じ始める。

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Youtube:sakuraeiga1955 / 『よあけの焚き火』予告編
 

 

 
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カリナリー部門
美食の街サン・セバスティアンで開催される映画祭ならではの「食に関する部門」。ベルリン国際映画祭とのコラボレーションで作られたこのセクションはバスク料理センターと共同で開催され、映画を通じて食や栄養に関する教育、そして科学や農業の分野での活動を結びつけている。このセクションでは、映画のテーマに沿ったディナーも提供される。

 
『そらのレストラン (Restaurant from the sky)』深川栄洋監督
 
「しあわせのパン」「ぶどうのなみだ」に続く、大泉洋主演・北海道映画シリーズ第3弾。実際にせたなで循環農業に取り組む自然派農民ユニット「やまの会」をモデルに、様々な食材を一つにまとめ包み込む「チーズ」と、その味わいのように濃厚な「仲間」の絆が描かれている。
監督:深川栄洋 / 2019年 / 126分
公式サイト | Twitter | Facebook
 
今日も食卓に、明るい声が響く。ここは道南・せたな町。海が見える牧場で酪農を営む亘理は、妻のこと絵、一人娘の潮莉とのしあわせな家族3人暮らし。自然に寄り添った食を追求する仲間たちに囲まれ、厳しくも美しい大地で楽しい日々を送っている。亘理の夢は、自分の牧場の牛乳でこの地でしか食べられないチーズを作ること。でも師匠のチーズ職人・大谷にはまだ追いつけず、落ち込んだり奮起したりの繰り返しだ。ある時、札幌から訪れた有名シェフ・朝田に自分たちの食材を激賞され、亘理は一つのアイデアを思いつく。それは、せたなのおいしいものを広く届けるため、一日限定のレストランを開くことだった。だが、納得ゆくチーズが完成せず思い悩んでいたある日、突然大谷が倒れ…。

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Youtube:東京テアトル/ Tokyo Theatres Ch. / 『そらのレストラン』予告編

 
『ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ (Le chocolat de H)』渡邉崇監督
 
ショコラティエとして世界を舞台に活躍する辻口博啓。彼の素材探しから新作ショコラ完成までに密着した、日本発のショコラ・ドキュメンタリー映画。”チョコレートを芸術と捉え、詩や歌のように自らの表現方法としている。辻口博啓は生きた芸術の指標となるだろう。”
監督:渡邉崇 / 2019年 / 84分
公式サイト | Twitter | Instagram
 
本作の主人公はパティシエとして世界一の称号を手にした辻口博啓。彼が今情熱を傾けているのはチョコレート。彼はフランス・パリで開催される世界最大のチョコレートの祭典サロン・デュ・ショコラの品評会において5年連続で最高評価の「ゴールドタブレット」を受賞、昨年は「外国人部門最優秀賞」の栄冠にも輝く。それでもなお辻口は2018年の品評会にも出品。そこには「挑戦者であり続けることが、後に続く若者たちのステージを切り開くことになる」という、ひたむきな信念があった。そんな彼が今目指しているのは、“日本の食文化<発酵>×世界のカカオの<発酵>のマリアージュ”。カカオという果実が持つ底知れない可能性を追求し、日本独自の素材と掛け合わせることで、世界一のチョコレートを生み出そうと構想している。
本作ではエクアドルでのカカオ探求からはじまり、日本の発酵技術をテーマにした素材探しの旅に密着。そこで出会ったのは味噌、糀、みりん、塩など、こだわりの和素材。辻口はチョコレートと日本の素材をどう融合させるのか!? その創造の全過程をドローンや超ハイスピードカメラ等、最新の撮影技術を使い圧倒的な映像美でとらえていく。
物語のクライマックスは2018年のサロン・デュ・ショコラ。辻口シェフ渾身の新作チョコレートはどのような評価を受けるのか⁉ 世界から熱い注目を集めるショコラティエ・辻口に密着し、彼のクリエーションのすべてを初めて明かすドキュメンタリー映画。

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Youtube:H_Tsujiguchi / 映画「LE CHOCOLAT DE H」PV
 

 

 
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ネスト・フィルム・ステューデント部門
世界中の映画学校の学生より作品を集め、専門家によるマスタークラスにてディスカッションが開催され、ネスト・フィルム・ストゥーデント最優秀短編映画賞を決定する。

 
『ちよ (Chiyo)』島田千絵美監督
 
イギリスに住む作者が16ミリフィルムカメラと共に、長らく会っていない祖母を訪ね日本へ帰郷する。埼玉県八潮市に住む祖母チヨは今年で85歳。未亡人である彼女は息子夫婦宅隣の一軒家に1人で住んでいる。老齢による身体的・精神的変化を感じつつも彼女は逞しい。作者は彼女と生活を共にしながら、彼女の見た夢、郊外での生活、夏祭り、お盆風景を通して作者独自の祖母像をフィルムに記録する。
監督:島田千絵美 / 2019年 / 13分 / イギリス-日本
島田千絵美:公式サイト | Twitter | Instagram | Vimeo

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クラシック部門 (KLASIKOAK)
2017年に新しく作られたモダンクラシック作品を上映するセクション。

 
『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ (Mishima, Una vida en cuatro capítulos / Mishima: A Life In Four Chapters)
 
「三島由紀夫の生涯とその文学作品」を題材にした伝記風の芸術映画。三島を緒形拳が演じ、日本とアメリカによる1985年の合作映画。”美 (Beauty)”、”芸術 (Art)”、”行動 (Action)”、”文武両道 (Harmony of pen and sword)” の4つのチャプターから成る。当時アメリカや欧州では公開されたが、日本では未公開の幻の作品。
監督:ポール・シュレイダー / 1985年 / 120分 / 日本-アメリカ合作

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Youtube:HD Retro Trailers / Mishima: A Life in Four Chapters (1985) ORIGINAL TRAILER [HD 1080p]
 

 

 

第67回 サン・セバスティアン国際映画祭
 
開催期間:2019年9月20日(金) 〜 28日(土)
開催地:スペイン・バスク州ギプスコア県サン・セバスティアン
会場:TABAKALERA. Centro Internacional de Cultura Contemporánea
住所:Plaza de las Cigarreras, 1, 20012 DONOSTIA – SAN SEBASTIÁN, España
 
チケットの購入:2019年9月15日 (日) より発売開始
        スペイン語 | 英語
 
公式サイト スペイン語 / 英語 | Facebook | Twitter | Instagram | Youtube

 
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情報元:第67回 サン・セバスティアン国際映画祭 公式サイト