【終了】セラピー用アザラシ型ロボットと介護用マッスルスーツ。マドリードのロボット展で光る日本の技術

1月28日から31日まで、マドリードのカサ・デ・カンポ展示会場(クリスタル・パビリオン)にて開催されているグローバル・ロボット・エキスポにて、日本製のセラピー用アザラシ型ロボット「パロ」(スペイン語名はNuka)と、介護、工場、物流、農作業等での腰負担を大幅に軽減する「マッスルスーツ」が紹介されている。

「パロ」を開発したのは、産業技術総合研究所の柴田崇徳(しばた・たかのり)博士とそのチーム。「パロ」はギネスブック(2002年)にも認定されている「世界でもっともセラピー効果があるロボット」。姿はタテゴトアザラシの赤ちゃんで、多数のセンサーや人工知能の働きによって、人間の呼びかけに反応し、抱きかかえると喜んだりするほか、人間の五感を刺激する豊かな感情表現や動物らしい行動をし、人を和ませ、心を癒す。既に世界の30か国以上で約4,000台が販売され、スペインではアデレ・ロボッツ社が販売する見込み。
パロ:http://www.adelerobots.com/es/nuka/

マッスルスーツは、東京理科大学工学部の小林宏(こばやし・ひろし)教授とそのチームが開発した。圧縮空気を出し入れすることでゴムとPET繊維でできた人工筋肉が収縮し、最大30キロ分を補助し、重いものを持ったり体を屈める行為がしやすくなる。「生きている限り、自立した生活を」をコンセプトに、2000年前後に小林教授が研究に着手。当初は非健常者向けの製品開発を目的としていたが、プロトタイプ製作を重ねるうち、腰痛による離職者が多い介護や物流などの現場で補助器具のニーズが高いことが分かった。日本では既に1,000台以上が販売されており、今後スペインでの販売も狙う。
マッスルスーツ:http://innophys.jp

日本政府は介護ロボットの開発支援を強化する方針で、日本同様に長寿命の国であるスペインとその成果を共有することを目指しており、それが今回の在スペイン日本大使館による、第一回グローバル・ロボット・エキスポへの出展に繋がった。
会場では、今急成長している多くのドローンのメーカーのブースをはじめ、あらゆる種類のロボットが紹介されている。同展示会は1月31日までの開催。どうぞお見逃しなく。

グローバル・ロボット・エキスポ / Global Robot Expo
日時:2016年1月28日〜31日まで(28日〜30日までは業界関係者向け、31日は主に一般客訪問客向け)
時間:9:00〜18:30
場所:マドリード カサ・デ・カンポ展示会場(クリスタル・パビリオン)
PABELLÓN DE CRISTAL DE LA CASA DE CAMPO. MADRID. ESPAÑA.
Global Robot Expo:http://www.globalrobotexpo.com
入場券入手に関する情報:
Global Robot Expo:http://www.globalrobotexpo.com/entradas/

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