『川上ミネ × サンドウィッチマン In SPAIN』日本の笑いと音楽がスペインとの国境を超えた日

2月14日・16日、スペインのコリア・デル・リオとマドリードにて、日本の誇る芸人サンドウィッチマンと世界で活躍するピアニスト川上ミネ氏による公演『川上ミネ × サンドウィッチマン in SPAIN』が開催され、大盛況のすえ幕を閉じた。
　
宮城県仙台市出身のサンドウィッチマンのお二人と、日本とスペインの架け橋として長年にわたり尽力されている川上ミネ氏は「仙台スペイン友好大使」として、今公演でスペインと日本、そしてスペインと仙台市の絆をさらに深め、両国の古くから繋がる歴史を再確認させてくれた。
　
セビージャのコリア・デル・リオと仙台市の繋がりは古く、1611年12月北海道から三陸、仙台にかけて起きた超巨大地震「慶長三陸地震」から仙台藩が復興するため、当時の殿様であった独眼竜・伊達政宗が、仙台藩と欧州との交易を進めようと家臣の支倉常長率いる慶長遣欧使節を、1613年スペインへと派遣したことに始まる。
1614年10月、スペイン南部のセビージャに到着した使節団は、マドリードにてスペイン国王フェリペ3世に謁見。数年間のヨーロッパ滞在の後、帰国の途につく使節団一行の中で、キリシタン禁止令を発動した日本に帰国せず現地に留まり移住したキリスト教徒の藩士や使節団員の子孫となる数百人が今でも日本を意味する苗字「ハポン (Japón / Xapón)」を名乗り、カルロス・デ・メサ公園には支倉常長の立体像が建っているなど、今なお日本との深い関わりを残しており、2013年6月には日本・スペイン国交400周年を記念し、日本の皇太子徳仁親王がコリア・デル・リオを訪問している。

1611年に起きた慶長三陸地震から400年後となる2011年、同じく東北を超巨大地震「東日本大震災」が襲った。当時、現地で被災者となったサンドウィッチマンのお二人は、即座に「東北魂義援金」を立ち上げ復興に尽力し、今でも東北に対する復興支援の活動を止めることはない。
奇しくも伊達政宗と同祖となるサンドウィッチマン伊達みきお氏、そして富澤たけし氏が、慶長遣欧使節の渡西から400年強となる2019年2月に「仙台スペイン友好大使」として、コリア・デル・リオを訪れることとなったのは何かの縁であろうか。
　
スペインでの公演は2回。仙台市とゆかりあるコリア・デル・リオとスペインの首都マドリードである。
今回、初のスペイン渡西となったサンドウィッチマンのお二人に、昨日訪れたコリア・デル・リオでの感想を伺った。
　
『スペインに入り、始めにセビージャのコリア・デル・リオに行ったんですけど、日本からこんな遠いところに漢字やカタカナ、平仮名があったり、支倉常長さんの銅像があったり。日本と所縁のあることの多さにすごい感動しましたね。飛行機で遠かったですけど、日本から日本に行ったような…。すごく落ち着く雰囲気でしたね。
昨日のコリア・デル・リオ公演では、コントを日本語とスペイン語でやったんですけど、8割以上がスペイン人の観客でしたがすごいウケてました。スペイン語が覚えられなかったので、スペイン語の部分はカンペを見ながらやったんですけど、その読み方がカタコトで面白かったんでしょうね (笑)。でもちゃんと、ネタとしてのオチでの笑いもあったので、すごくやりやすかったですね。思ったより違和感なくできたかな。
明日のマドリード公演は、コリア・デル・リオより日本人の方が多いと思うので、以外と気負いはないですね。川上ミネさんとのコラボということで、いつもの日本での公演とは違う感じを楽しんで頂けると思います。』

2月16日のマドリード公演は100年の歴史あるイサベル王女劇場にて開催され、この日を楽しみにしていた多くのスペイン人と在住日本人が訪れた。
第一部は慶長遣欧使節が石巻市を出発してからセビージャに辿り着くまでの、波乱に満ちた旅路の行程がピアニスト川上ミネ氏によって表現され、観客を400年前の航海へといざなった。第二部はサンドウィッチマンによるスペイン語でのコントや観客のスペイン人との絡みをうまく笑いに昇華させるなど、海外ならではの笑いをアドリブと即興で作り上げていく。スペインにいながらして日本の笑いをナマで体験できる贅沢な機会となった。第三部は伊達家の家紋「竹に雀」に由来する400年の歴史あるすずめ踊りが披露され、会場を仙台市の祭りの世界へと導いた。
なお、コリア・デル・リオとマドリードでの2公演、スペイン滞在時に現地の人々との交流の模様など、全行程に密着取材した様子が3月にTBSテレビにて放送される予定である。
　

2月14日：コリア・デル・リオ公演