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日本人パフォーマー川口隆夫がビルバオにて5月21日 ソロダンスパフォーマンス『大野一雄について – About Kazuo Ohno』公演を、また5月24〜25日にはマドリードにて講演会『舞踏と大野一雄について』を開催する。

 
川口隆夫 ソロダンスパフォーマンス
『大野一雄について – About Kazuo Ohno』

5月21日、ビルバオのAzkuna Zentroaにて川口隆夫氏によるソロダンスパフォーマンス講演が行われる。
これは残された舞踏家大野一雄氏の公演ビデオから、川口氏があらゆる個人的解釈を一切排除し、動きだけを“完全コピー”することでダンサーとしての大野一雄を再現する試みである。
『大野一雄について』の中で、川口氏は大野一雄の初期の代表的な三作品(「ラ・アルヘンチーナ頌」「わたしのお母さん」「死海、幽霊、ウィンナーワルツ」)の初演のビデオ記録をもとにいくつかのシーンの踊りをコピーし、再現を試みる。

inyoufu即興的な要素も含み、老齢というだけでなく特異な身体的・運動的特徴や癖までをもその本質として含んだ大野の踊り。そこに足すも引くもなく、忠実にコピーしようと努めることは、コピーを行う主体側の解釈や特性を消して、可能な限りその対象に自分を重ねようとすることに他なりません。しかし、重ねよう、寄せようとすればするほど、その重ならない部分、どうしてもはみ出してしまう部分が、逆に、その主体の存在の消すことのできない有り様を浮かび上がらせるとう、「コピー」であるがゆえに「オリジナル」であるという、パラドックス。
 
観る者はそこに生前の大野の面影を重ね、大野を知らない者もまた、そこに大野の踊りを想像し重ねます。そうして複数の像が交互に前に出あるいは後退する。『大野一雄について』は、今は亡き大野一雄との、幻のデュエットを踊る作品です。
 
ー 川口 隆夫 (オフィシャルサイト www.kawaguchitakao.comより)

川口隆夫 ソロダンスパフォーマンス「大野一雄について – About Kazuo Ohno」

日時:5月21日(土)20:00〜
会場:Azkuna Zentroa (Arriquíbar Plaza, 4, 48010, ビルバオ)
入場料:10ユーロ / 8ユーロ(AZカード所有の場合のみ)詳しくはこちらを参照ください。
主催:AlhóndigaBilbao国際交流基金Azkuna Zentroa
共催:アーツカウンシル東京

 

 
川口隆夫による講演「舞踏と大野一雄について」

5月24〜25日、マドリードのAuditorio Casa Asiaにて、川口隆夫氏による講演会「舞踏と大野一雄について」が開催される。この講演ではパフォーマー川口氏の知られざるエピソードに加え、舞踏家の故大野一雄氏と彼の作品のビデオをもとに、舞踏の動きについて語られる。これは川口氏が大野一雄氏のビデオから彼の動きを一切の自己解釈なしに完璧にコピーすることで、ソロダンスパフォーマンス「大野一雄について About Kazuo Ohno」を制作した際の彼特有のやり方に基づいている。
人間の身体を観察し描写し動かすために、川口氏は大野一雄氏の最も代表的な作品のビデオのいくつかを上映し、大野一雄氏の真髄と本質に迫る。この講演会は、舞踏家やアーティスト、研究者、デザイナー、日本の文化や芸術に興味がある人などあらゆる分野に携わる人にひらかれたものとなっている。

川口隆夫による講演「舞踏と大野一雄について」

日時: A. 5月24日(火)17:00〜20:00
B. 5月25日(水)17:00〜20:00
会場:Auditorio Casa Asia (Palacio de Cañete – Calle Mayor, 69, 28013 マドリード)
入場料:無料・席数に限りあり
    ※ 出席希望者は事前にinfo@fundacionjapon.esにお名前、DNI/NIE/パスポート番号を
    ご連絡いただく必要があります。
主催:国際交流基金カサ・アシア
共催:アーツカウンシル東京
協力:公益財団法人セゾン文化財団東京造形大学 CSラボラトリー

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川口 隆夫 / Takao Kawaguchi


日本人ダンサー/パフォーマー。
1996年よりパフォーマンスグループ「ダムタイプ」に参加。並行して2000年よりソロ活動を開始。特に03年以降は「ダンスでも演劇でもない、まさにパフォーマンスとしか言いようのない(朝日新聞・石井達朗氏)」作品を発表し続けている。
主な作品に『ディケノヴェス―見えないと言え』(03)、『D.D.D. ― 私の心臓はあと何回鼓動して止まるのか?』(04~07)、『グッド・ラック』(08~)、『TABLEMIND』(11)
08年からは「自分について語る」ソロパフォーマンス『a perfect life』シリーズを継続。13年にはその「vol.6 沖縄から東京へ」を東京都写真美術館「第5回恵比寿映像祭」で発表した。近年は『病める舞姫をテキストに ― 2つのソロダンス』(12~)、『大野一雄について』(13~)など、舞踏についてのパフォーマンス作品を制作し、2014年から15年にかけて再演や東北ツアーを行う。また、照明演出の藤本隆行(ダムタイプ)、ダンサーの白井剛とともに『true/本当のこと』(07~11)、『Node/砂漠の老人』(13)、香港のディック・ウォン、映画監督今泉浩一とともに『Tri_K』(10~12)など、コラボレーションも多数。その他に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のディレクター(1996~99)、イギリス実験映画監督デレク・ジャーマンの著書『クロマ』の翻訳(03 アップリンク)、短編映画『KINGYO』(エドモンド楊監督、09ヴェネチア映画祭正式招待作品)に出演するなど、その活動は多岐に渡っている。
 
オフィシャルサイト:http://www.kawaguchitakao.com

 
大野 一雄 / Kazuo Ohno


戦後の日本モダンダンス界のスターでありながらも、異色とも言える作品を多数発表。土方巽との出会い、その化学反応の中で舞踏を生んだ。その後しばらく舞台活動に距離を置きながら、長野千秋監督と『O氏の肖像』を始めとする3本の映画を製作したのち、1977年、齢72歳にして『ラ・アルヘンチーナ頌』で華々しくカムバックデビュー。世界各地を巡演して舞踏の名を広く知らしめ、2010年、103歳にて他界するまで踊り続けた。彼のことを土方巽は「ひとさじで痺れさす劇薬のダンサー」と言い、人々は「魂の踊り」と評した。
 
大野一雄舞踏研究所:http://www.kazuoohnodancestudio.com

 
画像元:Bozzo (http://www.kawaguchitakao.com)