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平成28年春の叙勲により、元スペイン外務・協力大臣トリニダ・ヒメネス氏が旭日大綬章を受章した。
 
旭日章は、社会の様々な分野における功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者を表彰する場合に授与されるもので、日本との国際交流の促進や日本文化の普及もその対象に含まれる。同氏はその長年の活動を通じて、日本・スペイン間の関係強化と友好親善に寄与したことを認められ、今回の受章となった。
 
授章式は10月6日、マドリードの在スペイン日本大使公邸にて開催され、ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ元スペイン首相、ジョセプ・ピケ元産業大臣・外務大臣を含む招待客が列席する中、在スペイン日本国特命全権大使 水上正史氏より同章が手渡された。
 
ヒメネス氏は今回の受章と式への列席者に対し感謝の意を表し、同氏の日本に対する親密な思いについて語った。2003年同氏がマドリード市役所のヤング・リーダーの一人であった時に東京と京都を訪問し、その起伏のある街並みに多くの寺院が溶け込んだ様子や、桜や自然の美しさにすっかり日本のファンになってしまったこと、またある日偶然書店で手に取った川端康成の「美しさと哀しみと」をきっかけに日本の文学を読み始めたことを語った。その年の日本訪問のエピソードの一つとして、訪日中に日本の作家である吉本ばなな氏と会う機会を持ったことを話し、その直後同氏がイベロアメリカ局長に任命されたお祝いに吉本氏から生け花を贈られたことを披露した。

 
トリニダ・ヒメネス・ガルシア・エレラ氏


マドリード・アウトノマ大学法学部卒。マドリード市役所勤務時代を経て、イベロアメリカ局長、保険・社会政策大臣、外務・協力大臣などスペイン政府の多くの要職を務めた。対日関係では、スペイン・日本友好議員連盟第一副会長を務めたほか、サパテロ政権時代に外務・協力大臣として、2011年リビア危機の際スペイン空軍機を使って日本人17人の脱出を助けたほか、同年3月の東日本大震災時に、スペイン代議院による日本国民との連帯表明の音頭を取った。

 

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