第5回「日本の監督36選」日本映画特集上映

 

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国際交流基金とフィルモテカ・エスパニョーラが、日西交流400周年を記念して企画した「日本の監督36選」第5回日本映画特集上映が2月にマドリードにて行われる。

 
今回は、2月3日から19日にかけて「パプリカ」、「マインド・ゲーム」、「八日目の蝉」、「野のなななのか」、「生きたい」、「砂の女」の6つの作品が上映される。
この企画に選ばれた36作品は、映画評論家他による投票で選ばれた18作品に、一般の観客の意見をもとに日本のその他の18人の映画監督の作品を加えたもの。

今回の上映終了後、3月以降に最後の6作品が上映される予定。

 
今回の上映作品とスケジュール:

パプリカ (Paprika)

上映期間:2月3日(火)21:50h〜2月8日(日)20:00h
監督:今 敏
2006年
製作:マッドハウス
音楽:平沢 進
原作者:筒井 康隆

パプリカ (Paprika)

[解説]
夢に入り込んで患者の治療を行う装置「DCミニ」が盗まれ、精神医療総合研究所に勤める若きサイコ・セラピストの千葉敦子は、「DCミニ」開発者の時田とともに島所長の元へと集まる。しかし、所長の島が突然、意味不明な内容の演説をとうとうと語り出す。「DCミニ」を盗んだ者たちによる夢の侵略が現実のものとなり始め……。

『パプリカ』は、2006年の日本のアニメーション映画。監督は今敏、原作は筒井康隆による同名の長編SF小説。第63回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門へ正式出品される。また、第19回東京国際映画祭のanimecs TIFF 2006のオープニング上映作品ともなっている。

マインド・ゲーム(Mind Game)

上映期間:2月4日(水)20:00h〜2月13日(金)22:20h
監督:湯浅 政明
製作:STUDIO4℃
配給:アスミックエース
2004年 / 103分 / カラー スコープサイズ ドルビーデジタル

マインド・ゲーム (Mind Game)

[解説]
「アニマトリックス」などを手がけたアニメーション集団、STUDIO4℃ が製作したハイテンションアニメーション。コミック「マインド・ゲーム」(原作:ロビン西)を原作に、一度死にながら驚異的な生への執着で生き返った男のエネルギッシュな生き様をパワフルに描く。監督は、劇場版「クレヨンしんちゃん」で注目を浴び、シュールな短編「ねこぢる草」を手がけたアニメーター、湯浅政明。声の出演には今田耕司、藤井隆をはじめ吉本芸人が多数登場する。

[物語]
列車に乗っていた西(声:今田耕司)の目の前に飛び込んできた、初恋の女の子みょん(前田沙耶香)。二人は再会を喜び、彼女は姉のヤン(たくませいこ)と共に営んでいる焼き鳥屋へ招待する。久方ぶりのみょんのオヤジ(坂田利夫)に彼女のフィアンセ、りょう(山口智充)も紹介され、結婚相手が自分ではないことを実感する西。しかしそこに現われた借金取りが、全ての状況を一変させた。みょんのオヤジは借金のみならず、サラ金に勤める若い女の子と同棲しており、取り立て屋のヤクザはまだしも、その手下でかつてJリーガーを目指していたアツ(中條健一)の尋常ならぬ怒りを買っていたのだ。復讐に燃えるアツは遂に爆発し、ピストルを持ち出した。ビビリ続けた西はずっと好きだった女の子さえ助けられぬまま、ケツに銃を突っ込まれ、あまりにもカッコ悪い死に方をしてしまう。黄泉の世界で自分のぶざまな死に様を見せつけられた西は、「もうおわり、君、そこんとこまっすぐ、ま~っすぐ歩いていき。そのうち消えるから」という神様に逆らい、反対の方向に全力で走り出す。「俺は戻る。なによりも力強く、まっすぐと、のびのびと、楽しく、活き活きと、すべての力でやってみるーぅ!」すると一時は消えかけた身体も復活し、遂には現世へと戻るチャンスを与えられる・・・。

マインド・ゲーム 公式サイト

八日目の蝉 (Rebirth)

上映期間:2月6日(金)19:30h〜2月18日(水)17:30h
監督:成島 出
2011年 / 147分 / Color
製作会社:「八日目の蝉」製作委員会、日活、松竹、アミューズソフトエンタテインメント、博報堂DYメディアパートナーズ、ソニー・ミュージックエンタテインメント、Yahoo! JAPAN、読売新聞社、中央公論新社
キャスト:井上 真央、永作 博美、小池 栄子、平田 満、他

八日目の蝉 (Rebirth)

[解説]
直木賞作家・角田光代のヒューマン・サスペンス小説を、TVドラマ版とはスタッフ&キャストを一新して劇場版に変換。不倫相手の娘を誘拐して育てようとした女の悲哀と、事件の影響で屈折して成長した被害者の葛藤を骨太に描く。妻帯者と恋に落ちた希和子(永作博美)は、彼の乳飲み子の娘を衝動的に誘拐。4年の逃亡の末に逮捕されるが、4歳で実の親の元に戻った被害者の恵理菜(井上真央)は、自分も家庭を持つ男と関係してしまう。

野のなななのか (Seven Weeks)

上映期間:2月7日(土)18:30h〜2月19日(木)17:30h
監督:大林 宣彦
2014年 / 171分 / Color
製作:芦別映画製作委員会 / PSC
キャスト:品川 徹、常盤 貴子、他

野のなななのか (Seven Weeks)

[解説]
雪降る冬の北海道芦別市。風変わりな古物商“星降る文化堂”を営む元病院長、鈴木光男(品川徹)が他界する。3月11日14時46分、92歳の大往生だった。告別式や葬式の準備のため、離れ離れに暮らしていた鈴木家の面々が古里に戻ってくる。光男の妹・英子(左時枝)は82歳。光男の2人の息子はすでに他界し、それぞれ孫が2人ずつ。長男の長男、冬樹(村田雄浩)は大学教授。その娘・かさね(山崎紘菜)は大学生。長男の次男・春彦(松重豊)は泊原発の職員で、その妻が節子(柴山智加)。気難しい光男と“星降る文化堂”でただ1人、一緒に暮らしていた孫のカンナ(寺島咲)は次男の娘で看護師。その兄・秋人(窪塚俊介)は風来坊。そこへ突然、謎の女・清水信子(常盤貴子)が現れる。“まだ、間に合いましたか……?” 不意に現れては消える信子によって、光男の過去が次第に焙り出される・・・。

名匠・大林宣彦監督が北海道芦別市を舞台に描いた人間ドラマで、2011年の監督作「この空の花 長岡花火物語」の姉妹編ともいえる作品。ひとりの老人の死によって郷里へ集まった家族の姿と、その老人の人生に大きな影響を及ぼした戦争体験を通し、3・11以降の日本再生のあり方を問う。芦別市で古物商を営む元病院長・鈴木光男が92歳でこの世を去り、離れ離れに暮らしていた鈴木家の人々が葬式のため帰郷する。そこへ現われた謎の女・清水信子により、次第に光男の過去が明らかになっていく。1945年の太平洋戦争終結直前、光男は樺太でソ連軍の侵攻を体験しており……。タイトルの「なななのか」は、四十九日の意。

野のなななのか 公式サイト

生きたい (Will to Live)

上映期間:2月11日(水)19:30h〜2月15日(日)17:30h
監督:新藤 兼人
製作:近代映画協会 
配給:日本ヘラルド映画
1999年 / 119分 / カラー ワイド
キャスト:三國連太郎、大竹しのぶ、他

[物語]
日本に古くからある”姥捨て信託”と現代の老人問題を交錯させて、”生と老い”を措いた人間ドラマ。
長野県の姥捨駅に一人の老人が降り立った。だが、姥捨山の不気味さに恐れをなしたのか逃げるように去った。老人の名前は山本安吉。妻と死別して十五年、今年七十歳になる。最近下のしまりが悪くなり失禁することもしばしばで、今日も姥捻釈からの帰りに立ち寄った馴染みのの店で粗相をし追い出されてしまった。その上、糞まみれで道端に寝ているところを医者の君塚に助けられ、病院に担ぎ込まれる始末。君塚の連絡で長女の徳子が迎えに来た。安吉には三人の子供がいるが、長男と次女は家を出て、躁鬱症を抱えて嫁き遅れの徳子が安吉の面倒を見ていた。日々衰えてゆく肉体と徳子への憐憫から安吉は老人ホーム行きを決意する。だが、そこは現代の姥捨山ではないのか。不安が募る中、安吉は「姥捨て伝統」を読み始める・・・。

砂の女 (La mujer de arena)

上映期間:2月10日(火)20:00h〜2月14日(土)21:30h
監督:勅使河原 宏
製作:勅使河原プロダクション 
配給:東宝
1964年 / 122分 / 白黒

砂の女 (La mujer de arena)

[物語]
八月のある日、一人の教師が砂地に棲む昆虫を求めて砂丘地帯にやって来た。やがて夕暮となり砂丘の部落のある家で一夜を過した。蟻地獄のような穴の底にあり砂に蝕まれた破屋。そこに住む艶かしい三十前後の女。夜更けて女は砂の浸蝕から家を守るため砂かきの労働を始めた。翌朝目覚めた男は素裸で砂にまみれて寝ている女を見、苦々しい思いで家の外に出たが、崖には昨夜使った縄梯子は消え失せていた。驚いた男は自分が砂かきの労働力として雇われたことを知り愕然とした。女の言によれば、この部落は、砂という同一の敵によって固く団結していると聞かされるが、男はどうにかして逃げようとする。砂かきの世界に安住する女と、空白感に耐えられない男。しかし遂に穴の外に出ることに成功する日が来た女を騙し、ロープで崖を登る。が、監視員に発見され失敗に終った。男はしかし脱出の夢は捨てなかった。穴を掘ってカラスをいけどり希望という名をつけたのもその現われだ。そんなある日、その穴に水がわき出ることを知り狂喜した。渇きに耐えられなかった男は、この突然の発見が脱出への渇望をおしのけた。やがて冬になり、女は子宮外妊娠で穴から出たのを機会に、男は縄梯子を登り、穴の外に立った。しかし男はまた穴の中に帰っていった。溜水装置を点検した男はもはや逃げる理由はなかった。男は水の出現で砂の穴の生活から自由を発見したのだ。それから七年後男の失踪宣告が下った。

 

 
Information_jpn
上映場所:FILMOTECA ESPAÑOLA (旧 Cine Doré)
住所:C/ Santa Isabel 3, Madrid
最寄駅:メトロ1号線 Antón Martín

Filmoteca Española の上映スケジュールはこちらをご覧下さい。