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日本の映画監督・成瀬巳喜男 (なるせみきお) の回顧上映会『Ciclo de cine: Naruse Esencial』が、国際交流基金の協力のもと、バレンシア、バルセロナ、マドリード、ラ・コルーニャの4都市にて2021年12月8日から2022年3月にかけて順次開催されている。
 
成瀬巳喜男 (1905-1969年) の監督作品は純文学から大衆作品までそのジャンルは幅広く、小津安二郎、黒澤明、溝口健二と共に「日本4大巨匠」と讃えられるだけでなく、世界の偉大な映画監督のうちのひとりとも言われるなど、海外でも非常に高い評価を得ている名匠である。
 
この上映会では、成瀬監督の作品の中でも、特に評価の高い11作品がオリジナル言語日本語、スペイン語字幕にて上映される。

 

 
夜ごとの夢 (Every Night Dreams)

  • バレンシア:2021年12月8日(水) 18:00h / 2021年12月11日(土) 20:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年1月19日(水) 19:30h [チケット]

1933年 / 64分
成瀬巳喜男が自身の原作を監督したサイレント映画。世界的な不況時代を背景に、社会の底辺で生きる人々の暮らしを見つめる作品。
夫に家を出て行かれてしまったおみつは、幼い息子の文坊と二人で貧しい生活を送っている。おみつは港町の酒場で身を売って生計を立てていた。そこへ夫の水原がひょっこり帰ってくる。おみつは水原のことが許せなかったが、文坊のために同居することに。子供もすっかり父親に打ち解け、幸せな家庭生活が訪れたかに見えたが、水原は仕事が見つからずにいた。そんなある日、文坊が交通事故で大怪我を負ってしまう。治療費のために体を売ろうとするおみつを引き止め、水原は自分で金を集めると言い出すのだが…。(allcinema)

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めし (El almuerzo)

  • バレンシア:2021年12月16日(木) 18:00h / 2021年12月17日(金) 20:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年1月21日(金) 19:30h [チケット]

1951年 / 97分
林芙美子お原作を基に、倦怠期を迎えささいなことで諍いを繰り返し、溝を深める夫婦の姿を描いた成瀬監督の傑作ドラマ。
恋愛結婚をした岡本初之輔と三千代夫婦、大阪でつつましく暮らしていたが、いつしかわずかなことで諍いを繰り返すように。そこへ姪の里子が東京から家出して来て、その華やいだ奔放な態度で家庭の空気を掻き乱した。ある日三千代が家を空けた日、初之輔と里子が家にいるにもかかわらず、階下の入口にあった新品の靴が盗まれたり、二人がいた二階いに里子が寝ていたらしい毛布が敷かれていたことで、忌まわしい想像を掻き立てる三千代は、里子が谷口のおばさんの息子と遊びまわっていることを叱責したりもした。家庭内の重苦しい空気に堪えられず、三千代は初之輔のもとへは帰らぬつもりで里子を連れて東京へ。

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おかあさん (Madre)

  • バレンシア:2021年12月19日(日) 18:00h / 2021年12月21日(火) 20:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年1月23日(日) 19:30h [チケット]

1952年 / 98分
戦後の下町を舞台に庶民の日常を温かいまなざしでつづった家族ドラマ。戦災で家業のクリーニング店を失った福原家は、父が工場の守衛、母が露店の飴売り、長女も今川焼を売り、苦労の末にようやく店を再開させる。病に伏せていた長男は亡くなったが、父の弟子・木村が店を手伝ってくれることに。そんな矢先、父が他界してしまう。母は2人の娘と幼い甥を抱え、木村の手ほどきを受けながら必死に店を切り盛りしていく。(映画.com)

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山の音 (La voz de la montaña)

  • バレンシア:2022年1月4日(火) 20:00h / 2022年1月5日(水) 18:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年1月28日(金) 19:30h [チケット]

1954年 / 94分
妻と息子夫婦と暮らす尾形信吾は夜半よく目を覚ますと老いを自覚し、ふと耳にした「山の音」に死期を告げられたように寂しさを感じる。息子の嫁・菊子にかつての想い人の面影を見出し淡い恋心を抱く。息子の修一は他に女を作ったことで信吾はいっそう菊子に優しくする様子を、出戻りの妹・房子や修一の愛人・絹子なども登場し、家族間の心理的葛藤が描かれた川端康成の長編小説を原作とした作品。

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晩菊 (Crisantemos tardíos)

  • バレンシア:2022年1月18日(火) 18:00h / 2022年1月19日(水) 20:15h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年1月26日(水) 19:30h [チケット]

1954年 / 41分
林芙美子の短編小説『晩菊』『水仙』『白鷺』を、田中澄江と井手俊郎が共同で脚色し、成瀬巳喜男が監督した女性映画。盛りを過ぎた四人の元芸者たちの人生を、ユーモラスかつシニカルに描く。
かつて芸者だった倉橋きんは、今や金を貸したり土地を売買したりと金儲けに生きていた。金の借り手の中には、かつての芸者仲間であるたまえ、とみ、のぶの三人もいた。もはや色恋には興味を示さないきんだったが、かつて恋人だった田部からの手紙には心を躍らせ、化粧をして待ち合わせ場所に赴いた。しかし田部の目的は金を借りることであり、きんは落胆するのだった。(allcinema)

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浮雲 (Nubes flotantes)

  • バレンシア:2022年1月11日(火) 20:00h / 2022年1月12日(水) 18:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年2月2日(水) 19:30h [チケット]

1955年 / 124分
林芙美子の同名小説を原作にした名匠・成瀬巳喜男の代表作。とめどなく落ちぶれていく自堕落な男と、そうと分かっていながら結局どこまでも男に着いていってしまうひとりの女の宿命を描いた愛と悲劇の物語。
戦時中、赴任先のインドシナで、妻ある男・富岡と出会い愛し合ったゆき子。終戦後、妻と別れて君を待っている、との言葉を信じ富岡のもとを訪れたゆき子だったが、富岡はいつまでたっても態度をはっきりさせようとしない。途方に暮れたゆき子は外国人の愛人となり、富岡のもとを去る。しかし、ある日、富岡が訪ねてくると、ゆき子の心は再び富岡へと戻って行く。ところが、二人で行った伊香保温泉で、富岡は今度は飲み屋の若妻おせいに手を出してしまう……。(allcinema)

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流れる (A la deriva)

  • バレンシア:2022年1月13日(木) 20:15h / 2022年1月15日(土) 18:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年2月4日(金) 19:30h [チケット]

1956年 / 117分
幸田文の同名小説が原作の、傾きかけた芸者置屋を舞台に、時代の流れの中で変わりゆく花柳界に生きる女性たちの姿を豪華な女優陣の競演で描いた作品。女性のありのままの姿を一貫して描いてきた成瀬映画のいわば集大成にして成瀬演出のひとつの到達点を示した日本映画を代表する傑作。
大川にほど近い花街にある芸者置屋、つたの家。ここに職業安定所の紹介でやってきた女中・梨花は女将つた奴に面会、呼びにくいからといきなり名を“お春”に変えられてしまったものの無事採用が決まり、さっそく住み込みで働くことになるのだった……。(allcinema)

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鰯雲 (Nubes de verano)

  • バレンシア:2022年1月7日(金) 20:00h / 2022年1月8日(土) 18:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年1月30日(日) 19:30h [チケット]

1958年 / 130分
原作は和田伝の同名小説で、監督初のカラー・ワイドスクリーン作品。
東京近郊、厚木附近の農村。夫を戦争で失い姑と息子を抱え、畑仕事に追われる八重を新聞記者の大川が取材で訪ねて来た。もともと聡明で快活な八重が大川との出会いにより本来の姿を取り戻し始め、妻子ある身の大川であったが、お互いに惹かれあってしまう。次第に親密になっていく二人の関係と、八重の実家の人間関係、戦後の農村社会の変化、親と子の世代間の意識の変化などを背景に描かれている。

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女が階段を上る時 (Cuando una mujer sube la escalera)

  • バレンシア:2022年1月21日(金) 20:30h / 2022年1月22日(土) 18:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年2月6日(日) 19:30h [チケット]

1960年 / 111分
夫を亡くした圭子は、外国人マスターが経営する銀座のバー“ライラック”の雇われマダムだった。よく店に来ていた利権屋の美濃部が、かつて圭子の下で働いていたユリに店を持たせ、そちらへ頻繁に出入りしているようだ。マスターからはユリのように体を張って売り上げを回復させろと言われてしまう。ある日、狂言自殺をするつもりだったユリが本当に死亡した。葬儀の席で圭子は美濃部に食ってかかるが、血を吐いて倒れてしまう。酒の飲み過ぎで胃潰瘍にかかっていたのだ。やがて圭子は客に体を許すようになるが、その度に裏切られてしまう。(allcinema)

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乱れる (Tormento)

  • バレンシア:2022年1月25日(火) 20:00h / 2022年1月26日(水) 18:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年2月9日(水) 19:30h [チケット]

1964年 / 98分
森田屋酒店に嫁いだ礼子は子供も出来ないまま戦争で夫を亡くし、嫁ぎ先の他人の中で家を切り盛りしていた。森田家の次男幸司が東京の会社を辞め清水に帰って来た。無軌道ぶりに手をつけられない幸司を礼子はいつも優しく迎え、再婚もぜず18年成長を見守っていたが、幸司から思いを告げられたことから居場所がなくなり、家を出て旧姓に戻りたいとみなに打ち明けた…。

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乱れ雲 (Nubes dispersas)

  • バレンシア:2022年1月28日(金) 18:00h / 2022年1月29日(土) 20:00h
  • バルセロナ:近日発表
  • マドリード:2022年2月11日(金) 19:30h [チケット]

1967年 / 108分
成瀬監督の遺作。
通産省に勤める夫・宏と幸せな生活を送っていた由美子は、自分が妊娠したことを知り幸せの絶頂にいた。しかし夫はアメリカ派遣が決まった矢先、交通事故で亡くなってしまう。宏を轢いた商事会社の三島史郎は裁判の末、無罪となったが青森へ左遷され、常務の娘との婚約も破棄された。由美子は夫の両親から籍を抜かれ、お腹の子供を堕ろし実家のある青森に戻らざるを得なくなったことから、史郎を訪ねていく。加害者の青年と愛憎入り混じった間柄でありながらも、次第に距離を縮め、やがて許されない純愛に痛み苦しむ。

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成瀬巳喜男監督 回顧上映会『Naruse Esencial』

バレンシア
上映期間:2021年12月8日〜2022年1月30日
会場:La Filmoteca de València
住所:Plaza del Ayuntamiento, 17. 46002 Valencia
チケット:2,50ユーロ / 10回券 20ユーロ / 割引チケット 1,5ユーロ

 
バルセロナ
上映期間:2022年2月1日〜23日
会場:Filmoteca de Catalunya
住所:Plaça de Salvador Seguí, 1. 08001 Barcelona
チケット:4ユーロ / 割引チケット 3ユーロ

 
マドリード
上映期間:2022年1月19日〜2月11日
会場:Cine Estudio del Circulo de Bellas Artes
住所:Calle del Marqués de Casa Riera, 4, 28014 Madrid
チケット:5ユーロ / 割引チケット 4ユーロ

 
ラ・コルーニャ
上映期間:2022年3月2〜15日
会場:Filmoteca de Galicia
住所:Rúa Durán Loriga, 10, 15003 A Coruña
チケット:4ユーロ / 割引チケット 3ユーロ

 
情報元:国際交流基金マドリード日本文化センター