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スペイン・バスク州サン・セバスティアンで毎年開催されているスペイン最大の国際映画祭「サン・セバスティアン国際映画祭 (Festival de San Sebastián International Film Festival)」が、今年も9月18日〜26日の9日間にわたり開催される。
 
68回目の開催となる今年の映画祭に正式出品される日本映画作品は、河瀬直美監督「朝が来る」と、佐藤快磨監督「泣く子はいねぇが」の2作品がオフィシャル・セレクション部門の正式出品作品に選出された。河瀬監督は、2010年作品「玄牝」にて国際批評家連盟賞を受賞、さらに2018年作品「Vision」に続き、同部門への出品は3回目となる。そして、カンヌ2020レーベル作品が多数選出されている中で、是枝裕和監督率いる映像クリエイター集団に所属する新鋭・佐藤快磨監督のデビュー作が今回メインコンペ入りしたことは快挙である。
 
さらに新人監督部門にノミネートされた藤元明緒監督「海辺の彼女たち」、パールズ部門には黒沢清監督「スパイの妻」が正式出品されている。
 
今年の映画祭はコロナ禍の影響により、昨年に比べて上映回数は23%削減、上映本数も31%削減されるほか、企画フォーラムやマスタークラス、討論会などはオンラインでの開催に切り替えられて開催される。

*「サン・セバスティアン国際映画祭」
ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭とされており、国際映画製作者連盟と国際映画批評家連盟公認のコンペティション形式の映画祭である。映画祭に並行して映画マーケットが開催されており、業界関係者向けに企画開発や海外セールスなどの商談を行う機会ともなっている。
2018年には、同映画祭において優れた功績を称える生涯功労賞にあたる「ドノスティア賞」が是枝裕和監督に送られている。

 
オフィシャル・セレクション部門
 
『朝が来る (True Mothers)』河瀬直美監督
2020年9月24日〜25日 詳細はこちら
 
直木賞・本屋大賞受賞のベストセラー作家・辻村深月の同名小説をもとにした「特別養子縁組」を題材としたドラマ。実の子を持てなかった夫婦と、実の子を育てることができなかった14歳の少女を繋ぐ「特別養子縁組」によって、新たに芽生える家族の美しい絆と胸を揺さぶる葛藤を描く。血の繋がりか、魂の繋がりか––– 現代の日本社会が抱える問題を深く掘り下げ、家族とな何かに迫り、それでも最後に希望の光を届ける感動のヒューマンドラマ。
監督:河瀬直美 / 2020年 / 140分
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一度は子どもを持つことを諦めた栗原清和と佐都子の夫婦は「特別養子縁組」という制度を知り、男の子を迎え入れる。それから6年、夫婦は朝斗と名付けた息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた。ところが突然、朝斗の産みの母親・片倉ひかりを名乗る女性から「子どもを返して欲しいんです。それが駄目ならお金をください」という電話がかかってくる。当時14歳だったひかりとは一度だけ会ったが、生まれた子どもへの手紙を佐都子に託す、心優しい少女だった。渦巻く疑問の中、訪ねて来た若い女には、あの日のひかりの面影は微塵もなかった。いったい彼女は何者なのか、何が目的なのか?

Youtube:キノフィルムズ / 映画『朝が来る』予告90秒_10月23日公開
 

 
『泣く子はいねぇが (Any Crybabies Around?)』佐藤快磨監督
2020年9月21日〜26日 詳細はこちら
 
是枝裕和監督率いる映像クリエイター集団に所属する新鋭監督の佐藤にとって劇場映画デビュー作となる。秋田市出身の佐藤監督が脚本を手掛ける同作は、ユネスコ無形文化遺産に登録された秋田県の「男鹿のナマハゲ」を題材に、大人になりきれない青年の苦悩や成長を描く。
監督:佐藤快磨 / 2020年 / 109分
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たすくは、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことねは、子供じみて父になる覚悟が見えないたすくに苛立っていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に例年通り参加する。しかし結果、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿をテレビで全国放送されてしまうのだった。それから2年の月日が流れ、たすくは東京にいた。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、親友の志波からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、ようやく自らの愚行と向き合い、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった…。
果たしてたすくは、自分の“生きる道”、“居場所”を見つけることができるのか?

Youtube:スターサンズインフォ / 映画『泣く子はいねぇが』特報映像 | 11/20(金)公開

 

 
パールズ部門
世界の映画祭を賑わせ話題となった、その年を代表するような作品を上映する部門。スペインではまだ発表されていない、今年のすぐれた映画が上映される。*コンペティション部門ではないため観客賞のみ受賞対象となる。過去、同部門に出品された是枝監督作「そして父になる」「海街diary」はそれぞれ観客賞を受賞している。

 
『スパイの妻 (La mujer del Espía)』黒沢清監督
2020年9月18日〜21日 詳細はこちら
 
世界中に熱狂的なファンを持つ映画監督、黒沢清が『スパイの妻』で歴史の闇に初めて挑んだ。ロケ地、衣裳、美術、台詞回し、すべてにこだわり、描き出した疑心暗鬼渦巻く狂乱の時代。日本を代表する才能が集結した本作は、第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門にも選出された。
監督:黒沢清 / 2020年 / 115分
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1940年、神戸で貿易会社を営む優作は、赴いた満州で偶然恐ろしい国家秘密を知り、正義のため事の顛末を世に知らしめようとする。妻の聡子は反逆者と疑われる夫を信じ、スパイの妻と罵られようとも、その身が破滅することも厭わず、ただ愛する夫とともに生きることを心に誓う。満州から連れ帰った謎の女、油紙に包まれたノート、金庫に隠されたフィルム… 聡子の知らぬところで、別の顔を持ち始めた夫、優作。それでも優作への愛が聡子を突き動かしていく。太平洋戦争開戦間近の日本で、夫婦の運命は時代の荒波に飲まれていく…。

Youtube:BITTERSENDinc / 映画『スパイの妻』90秒予告編

 

 
新人監督部門
監督としての1、2作目となる長編映画作品を対象とした部門。2018年には同部門に出品された奥山大史監督作品「僕はイエス様が嫌い」が新人監督賞 (Premio Kutxabank-New Directors) を受賞。これは1998年に高橋陽一郎監督以来20年ぶりの受賞となる。

 
『海辺の彼女たち (Along The Sea)』藤元明緒監督
2020年9月19日〜20日 詳細はこちら
 
日本に住む移民に焦点を当て、当事者やその関係者たちに入念な取材を行った、藤本監督のオリジナル脚本。
監督:藤元明緒 / 2020年 / 88分 / 日本・ベトナム共同製作
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技術実習生として来日した3人の若いベトナム人女性たち。不当な扱いを受けた職場から逃げ、違法な存在となった彼女たちは、ブローカーを頼りに新たな職を求めて雪降る港町にたどり着いた。ベトナム人女性たちの苦悩とは…。

Youtube:
La princesa prometida blog
/ [ZINEMALDI 2020] Along the sea de Akio Fujimoto (TRAILER)

 

 

第68回サン・セバスティアン国際映画祭
 
開催期間:2020年9月18日(金)〜26日(日)
開催地:スペイン・バスク州ギプスコア県サン・セバスティアン
会場:TABAKALERA. Centro Internacional de Cultura Contemporánea
住所:Plaza de las Cigarreras, 1, 20012 DONOSTIA – SAN SEBASTIÁN, España
 
一般チケット販売:2020年9月20日(日) 09:00より発売開始
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公式サイト スペイン語 / 英語 | Facebook | Twitter | Instagram | Youtube

 
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情報元:サン・セバスティアン国際映画祭公式サイト