julio2026_exposicipn-susume

 
アラゴン州政府による『SUSUME!ミゲル・アンヘル・グティエレス コレクション 現代日本版画展』が、2026年6月から9月20日までIAACCパブロ・セラーノ美術館にて開催されている。
 
本展は、スペイン有数の個人所蔵による日本版画コレクション、「ミゲル・アンヘル・グティエレス・パスクアル コレクション」から厳選された20世紀から21世紀にかけての現代日本版画作品を通し、その魅力を紹介する展示会として、サラゴサ美術館とIAACCパブロ・セラーノ美術館が共同企画し、国際交流基金協力のもと開催されている。
 
本展では主に、版画作品77点に加え、図録、雑誌、ヴィンテージ写真などを展示。情感豊かな風景画、舞台俳優の肖像画、古典小説の一場面などが、刺青を施した身体や猫、ロックスターといったモチーフと織り交ぜられ、20世紀初頭から現代に至るまでの日本木版画の主要な芸術運動を辿る旅へと誘う。
 
作家陣は多岐に渡り、伊東深水や川瀬巴水といった著名な作家に加え、一般にはあまり知られていない作家も名を連ねている。特に注目すべきは、100年以上前に日本に渡り、日本の版画技法を学び、その後日本で成功を収めた、エリザベス・キース (イギリスの女性版画家) やヘレン・ハイド (アメリカの女性版画家) といった西洋のアーティストたちの作品。
 
ミゲル・アンヘル・グティエレスは幾度もの日本旅行をきっかけに、2015年から日本版画のコレクションを始め、現在では18世紀から21世紀にかけての版画約650点を所蔵。彼の関心は、歌舞伎をはじめとする日本の伝統演劇の世界を再現した作品や、能、狂言、文楽といった演劇作品、源氏物語や47浪人の物語といった歴史的・文学的なテーマ、神話、伝説、そして日本の民話に登場する妖怪の世界にも及んでいる。
 
彼は自身のコレクションを通して、日本との文化的な架け橋を築き、日本の歴史、民話、そして豊かな芸術表現をより多くの人々に身近なものにすることを目指している。

 


 

 
本展では、コレクションの中でも特に重要な側面となる「新版画」と「創作版画」の作品に焦点を当てている。このまったく異なる思想・制作体制を持つ2大木版画運動は、浮世絵の衰退に伴い、当時衰退していた木版画の芸術を活性化させることを目的として、20世紀初頭の日本で生まれた。この運動なくして、20世紀後半から21世紀にかけての近代版画や現代版画といった日本の版画の発展は理解しがたいものである。
 
そこで、展覧会のタイトルに「SUSUME (進め)!」が選ばれた。これは日本語の動詞「進む」の命令形であり、「前進する」という意味を持ち、しばしば「頑張れ!」「前進し続けろ!」といった励ましや激励の言葉として用いられる。新版画と創作版画の運動はまさにそうしたものであり、日本の木版画という芸術を刷新し、社会と再び結びつけることで、その芸術が永遠に失われることのないよう、前進し続けている。
 
本展は、20世紀前半の版元 (中でも渡辺庄三郎が代表的) や版画家たちが手がけた主要な芸術ジャンル、すなわち美人画、役者絵、風景画を中心に構成され、続いて、日本の木版画の技法に魅せられ、芸術修業の一環として日本へ渡るという勇気ある決断を下し、大きな評価を得た西洋の芸術家たちに捧げられた部屋へと繋がっていく。
 
展覧会には、来場者が木版画の制作体験や、木版画の技法を段階的に学べる教育コーナーが設けられている。

 

『SUSUME!ミゲル・アンヘル・グティエレス コレクション 現代日本版画展』
 
開催期間:2026年6月25日〜9月20日まで
会場:Sala 94, IAACC Pablo Serrano (Paseo María Agustín, 20, 50004 Zaragoza)
入場無料

 
IAACCパブロ・セラーノ美術館 (IAACC Pablo Serrano)
Webサイト | Facebook | Instagram | YouTube

 
情報元:国際交流基金マドリード日本文化センター | IAACC Pablo Serrano